📌 この記事の情報基準日:2026年7月28日

「AI関連銘柄10選」を読んで、そのまま買ったことはありますか。

私(つよび)はあります。10年前の話です。結果は、ほとんど覚えていません。覚えていないというのは、たいして増えも減りもしなかったということ。

理由は今なら分かります。「銘柄をもらっても、選び方はもらえていなかった」からです。

リストは半年で古くなります。でも選び方は古くなりません。

だからこの記事では、銘柄そのものではなく、私が実際に使っている「選び方」を5つの視点に分けて全部出します。

この記事で分かること

  • AI相場で「主役」を買うと出遅れる理由
  • 銘柄を探すときに見ている5つの視点
  • その5つを実際に使って選んだ4銘柄の実例
  • この選び方が向いていない人の特徴

なぜ「おすすめ銘柄10選」では勝ちにくいのか

検索して出てくる銘柄リストは、だいたい同じ顔ぶれになります。

理由は単純で、書き手が「もう上がったもの」を並べるから。上がった銘柄はニュースになっていて、根拠が探しやすい。書きやすいんですね。

でも読者が知りたいのは、たぶんそこじゃない。

「なんでその銘柄なの?」「自分で次を探すにはどうすればいいの?」のはずです。

私が半導体関連でキオクシアに注目した記事を書いたのは、株価が動く前でした。あとから「当たった」と言うのは誰でもできます。大事なのは、「当てにいった手順が説明できるかどうか」です。

その手順が、これから書く5つです。

銘柄選定5ステップのフロー図|裏方を買う・層で分解・次の列を読む・数字で検算・リスクを先に書く

視点① 主役ではなく、主役を動かす「裏方」を買う

AI相場の主役はNVIDIAです。これは誰も否定しません。

ただ、みんなが知っている会社は、みんなが買っています。すでに期待が価格に入っている状態ですね。

私が見るのはその隣です。

「NVIDIAが売れると、自動的に忙しくなる会社はどこか」

GPUは単体では動きません。データを保存するメモリが要る。作った半導体を検査する装置が要る。基板や素材も要る。

つまりNVIDIAの売上が伸びるほど、その周辺で必ず仕事が増える会社がある。しかもその多くが日本企業です。

主役は華やかですが、裏方は「NVIDIAが売れる」という一点に構造的にぶら下がっています。ぶら下がり方がはっきりしているほど、私は買いやすいと感じます。

💡 ここでの問い

「この会社は、主役が伸びたら自動的に儲かるのか?」

Yesなら候補。「なんとなく関連っぽい」はNoです。

補完4銘柄をこの視点で選んだ実例は、こちらで詳しく書いています。

FANG+を持つだけじゃ、もったいない|AI相場の本命を全部獲る4銘柄


視点② サプライチェーンを「層」で分解する

「裏方を買う」と言っても、裏方は無数にあります。ここで分解が要ります。

私は半導体を、ざっくりこう分けて見ています。

役割 日本企業の強さ
設計 GPUそのものを作る 弱い
製造 実際に半導体を焼く 弱い(台湾が中心)
製造装置 焼くための機械 強い
検査 不良品を弾く 強い
メモリ データを保存する 強い
素材・部品 作るのに必ず要るもの とても強い

層で分けると、探す場所がはっきりします。

「AI関連株」という広い言葉のままだと、何万社もある中から探すことになる。でも「検査の層で世界トップは?」と聞けば、答えは数社に絞られますよね。

この分解を実際にやった記事が2本あります。

MLCCとは?AI時代の本命部品株をやさしく解説(素材・部品の層)

半導体これから伸びる注目銘柄5選(装置・基板・部材の層)

半導体サプライチェーンを6層に分解した図|製造装置・検査・メモリ・素材で日本企業が強い層

視点③ お金は「次の列」へ順番に回る

相場のお金には、並ぶ順番があります。

最初に主役が買われる。次にその周辺が買われる。さらにその外側が買われる。だいたいこの順です。

なぜかというと、投資家は「分かりやすいもの」から順に手を出すから。GPUは分かりやすい。基板の素材は分かりにくい。だから遅れて来ます。

私が見ているのは、「いまお金がどの列まで来ているか」です。

主役がすでに大きく買われているなら、次の列を探す。逆に主役がまだ動いていないなら、外側を先に買っても待ち時間が長くなる。

この「順番」を意識するかどうかで、同じ銘柄でも入る時期が変わります。

💡 ここでの問い

「この銘柄は、いま何番目の列にいるのか?」

すでに全部の列にお金が回っているなら、その相場は終盤かもしれません。

季節性やお金の巡り方については、こちらでも触れています。

日本株はなぜ7月まで強いと言われるのか


視点④ 数字で「まだ高くないか」を検算する

ここまでの3つは、言ってしまえばストーリーです。ストーリーだけで買うと危ない。

だから必ず数字で裏を取ります。

私が最低限見るのは、この3つ。

  • その会社の利益は、実際に増えているか(決算の数字で確認する)
  • 株価は、その利益に対して高すぎないか(PERなどの指標で見る)
  • 市場そのものが伸びているか(業界の成長率を調べる)
  • ※PERは「株価が1株あたり利益の何倍か」を示す指標です。数字が大きいほど期待が高く、その分だけ失望に弱くなります。

    面白いのは、ストーリーが良くても数字が伴っていない会社がけっこうあることです。

    「AI関連」と名乗っているだけで、AIで売上が増えていない会社。こういうのは相場が崩れたときに真っ先に落ちます。

    逆に、決算の数字が先に良くなっていて株価がまだ動いていない会社は、私にとって一番面白い状態です。

    決算から構造を読む具体例は、この2本が分かりやすいと思います。

    マイクロン決算をやさしく解説|半導体相場のこれから

    三菱商事の決算分析|今後のシナリオ

    銘柄選定でストーリーを数字で検算する3項目|利益・株価水準・市場成長のチェックリスト

    視点⑤ リスクを先に書けない銘柄は買わない

    これが5つの中で一番大事かもしれません。

    私は候補を絞ったあと、必ず「この銘柄が下がるとしたら何が起きたときか」を先に書き出します。

    書けなければ買いません。

    理由は、リスクを言葉にできないということは、その会社をまだ理解していないということだからです。理解していない銘柄は、下がったときに持ち続けられない。

    たとえば半導体なら、こういうリスクがあります。

    • 需要のサイクルが反転する(半導体は昔から波が大きい業界です)
    • 為替が円高に振れる(輸出企業の利益は目減りします)
    • 米中の規制で輸出が止まる
    • 期待が先行しすぎて、良い決算が出ても株価が下がる

    こう書き出しておくと、実際に下がったときに落ち着けます。「想定の範囲内」なのか「想定が崩れた」のかを、自分で判断できるからです。

    暴落局面でどう考えたかは、この2本に残しています。当てた話だけでなく、判断の過程を書いています。

    株価暴落は買いだった|売るなと言い切れた理由

    株価暴落どうすればいい|カギは米CPI

    💡 ここでの問い

    「この銘柄が半分になるとしたら、原因は何か?」

    答えられないうちは、まだ買う段階ではないと考えています。


    5つの視点を実際に使った例

    2026年5月に、FANG+(AI大手10社に投資する投資信託)を持っている人向けに、補完する4銘柄を選んだことがあります。

    そのとき5つの視点をどう通したかを、そのまま表にしました。

    銘柄 ①裏方としての役割 ②どの層か
    キオクシアHD GPUが扱うデータを保存する メモリ
    アドバンテスト 作った半導体を検査する 検査
    ファナック AIが物理世界で動く土台 応用(フィジカルAI)
    レゾナック 半導体を作るのに要る素材 素材

    4社とも「NVIDIAが売れると忙しくなる」という一点でつながっています。そして層が全部違う。

    これが視点①と②の使い方です。

    視点③では、この4社がまだ主役の陰にいることを確認しました。視点④で各社の決算を見て、視点⑤で各社のリスクを1つずつ書きました。

    だから元記事には、どの銘柄にも「⚠️リスク」の項目が入っています。あれは形式ではなく、選定プロセスの一部です。

    補完4銘柄がどの層の裏方かを示す比較表|キオクシアHD・アドバンテスト・ファナック・レゾナック

    → 各社の詳しい中身はこちら: FANG+を持つだけじゃ、もったいない|AI相場の本命を全部獲る4銘柄


    この選び方が向いていない人

    正直に書きます。この5ステップは万人向けではありません。

    向いていない人

    • 決算を1度も見たくない人
    • 買ったあと半年は放っておきたい人
    • 1つの銘柄が3割下がったら夜眠れない人

    個別株は手がかかります。決算は年4回出るし、そのたびに前提が変わっていないか確認が要る。

    そこまでやりたくないなら、投資信託やETFのほうが合っています。実際、私も土台部分はインデックスで持っています。個別株は、その上に乗せる部分という位置づけです。

    土台づくりから始めたい方は、こちらが入口になります。

    新NISAの始め方|5ステップで完全ガイド


    まとめ

    もう一度、5つを並べます。

  • 主役ではなく、主役を動かす裏方を買う
  • サプライチェーンを層で分解して、探す場所を絞る
  • お金がいま何番目の列まで来ているかを見る
  • ストーリーを数字で検算する
  • リスクを先に書けない銘柄は買わない
  • この5つは、AI相場以外でも使えます。主役と裏方がある構造なら、だいたい同じやり方が通ります。

    銘柄リストは半年で古くなります。でもこの5つは、来年も再来年も使えるはずです。


    よくある質問

    Q1. 初心者でもこの5ステップは使えますか?

    使えますが、いきなり全部は難しいと思います。まずは視点①だけでいいです。「この会社は主役が伸びたら自動的に儲かるか」を考えるだけでも、選ぶ銘柄がかなり変わります。

    Q2. 「裏方」を探すには、どこで情報を集めればいいですか?

    各社の決算資料が一番です。主要な取引先が書いてあることが多く、そこから「誰が誰にぶら下がっているか」が見えます。ニュースサイトより、公式の資料のほうが早いことも多いです。

    Q3. 視点③の「次の列」は、どうやって判断するんですか?

    株価チャートと出来高を見ます。主役がすでに大きく上がっていて、周辺がまだ動いていないなら、周辺が次の列です。ただし「まだ上がっていない」には、単に人気がないだけという可能性もあります。だから視点④の検算が必要になります。

    Q4. PERは何倍以下なら買っていいですか?

    一律の基準はありません。成長が速い会社は高くても正当化されるし、成長が止まった会社は低くても割高です。私は同業他社と比べて、その差に説明がつくかどうかで見ています。

    Q5. リスクを書き出したのに、想定外のことが起きたらどうしますか?

    そのときは前提が崩れたと判断します。想定内の下落なら持ち続けますが、想定が崩れたなら考え直します。この2つを区別するために、先にリスクを書いておくわけです。

    Q6. 5銘柄も10銘柄も持てません。何銘柄が適切ですか?

    決まった正解はありません。ただ、自分が決算を追える数を超えないほうがいいとは思います。追えなくなった時点で、それは「持っている」ではなく「放置している」になります。

    Q7. 日本株ばかりを選んでいるのはなぜですか?

    半導体の装置・検査・素材の層で、日本企業が世界的に強いからです。あとは、米国株を多く持っている人にとって地理的な分散になるという理由もあります。米国市場が下がるときに全部が同時に下がる構造を避けたい、という考え方です。

    Q8. この選び方で必ず勝てますか?

    勝てません。5つの視点は、勝率を上げるためのものであって、負けをなくすものではないです。実際に私も外したことがあります。だからこそ視点⑤で、外したときにどうするかを先に決めています。

    Q9. 新NISAでもこの選び方は使えますか?

    成長投資枠であれば個別株を買えるので、使えます。ただし新NISAは損益通算ができません。個別株の比率を上げすぎると、外したときの取り返しがきかない点は意識しておいたほうがいいです。

    Q10. 記事に出てくる銘柄は、いま買っていいですか?

    その判断はできません。この記事は選び方を説明したもので、特定の銘柄を勧めるものではないです。各社の状況は決算のたびに変わるので、必ず最新の資料を確認してください。

    銘柄を買う前に自分に聞く5つの問い|つよびの銘柄選定チェックリスト

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    この記事を書いた人

    つよび

    つよび
    個人投資家(2児の父)・株式会社経営
      • 投資歴10年以上。FXから始め、2024年の新NISAを機に株式投資へ軸足
      • 日本株(ファンダメンタルズ+スイング)メイン・新NISA/米国ETF/投資信託も併用
      • 米国株の取引はmoomoo証券を中心に運用
      • YouTube「FireriF(つよび・よわび)」でリアルな投資判断を発信中

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    最終更新: 2026年7月28日

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    つよび
    サイドFIRE達成の個人投資家(2児の父)。資産1億円超。株式会社経営。 日本株個別株(ファンダメンタルズ + スイング)メインの現役トレーダー。 新NISA・米国ETF・投資信託の実践もあわせて運用。 YouTube「FireriF(つよび・よわび)」でリアルな投資判断を発信中。