【暴落で終わりじゃない】半導体株はまだ上がると見ている|歴代5位の急落後に注目するAI半導体・関連株5銘柄【2026年7月】
先に1つだけ、実績の話をさせてください。いいところも、痛いところも含めてです。
2026年5月23日、僕はこのサイトで「FANG+だけだとAI相場の本命の半分しか獲れない」と書き、日本のAI半導体株を挙げました。その後の値動きはこうです。
| 銘柄 | 紹介時(5/22終値) | 6月の高値 | 7/17暴落 | 7/21終値 |
|---|---|---|---|---|
| キオクシア | 57,400円 | 112,700円(+96%) | 52,110円 | 61,060円(紹介時比+6%) |
| アドバンテスト | 26,845円 | 35,900円超(+34%) | 27,505円 | 29,630円(紹介時比+10%) |
キオクシアは1ヶ月で株価2倍近くまで駆け上がり、そして7月17日の暴落でほぼ往復しました。上げも下げも、これが半導体株の値動きです。隠さずそのまま並べます。
そして2026年7月17日、日経平均は1日で2,694円安。下げ幅は歴代5位です。キオクシアは高値からほぼ半値まで売られました。
ここで多くの人は、こう思うはずです。「やっぱり半導体は怖い」「AIブームは終わったんじゃないか」。
その気持ちはわかります。でも、僕の見方は違います。壊れたのは「株価」であって、「構造」ではない。AI向けのメモリが足りなくなるという6月24日のマイクロン決算(売上前年比+346%・粗利率84.9%・データセンター向け売上約7倍・「品不足は2027年以降も続く」と会社が明言)で見えた構造は、この2週間で何ひとつ変わっていません。変わったのは値段だけです。
この記事では、まず7月17日の暴落で何が起きたのかを整理し、それでも「半導体はここからが本番」と考える理由を説明します。そのうえで、急落で安くなった今こそ注目している5銘柄を、強みもリスクも具体的な数字で出します。最後に「個別株はやっぱり怖い」という人向けに、半導体をまとめて1本で持てる方法と、その落とし穴も正直に紹介します。
的中は、キオクシアだけじゃない
自慢に聞こえたら申し訳ないです。でも「だから今回の話も聞く価値がある」と思ってもらうために、過去の実績を日付つきで並べます。あとから書き換えのできない、検証可能な記録です。
| いつ | このサイトで書いたこと | 結果 |
|---|---|---|
| 5/23 | 「FANG+だけじゃ半分しか獲れない」とキオクシアを筆頭に挙げる | キオクシアが1ヶ月でほぼ2倍(その後往復) |
| 6/1 | 「日本株は配当の再投資で6〜7月が強い」と需給で解説 | 6月に日経が史上最高値を連日更新 |
| 6/6 | 暴落の渦中で「ここでは売るな、反発する」と断言 | 約10日後に日経が史上最高値を更新 |
どれも、出来事そのものを当てたわけではありません。お金の流れ(需給)と業績の構造を見て、方向を書いています。
その同じ目で、今回の暴落を見ています。
まず、7月17日に何が起きたのか
急落の中身を整理すると、こうなります。
- 日経平均は1日で2,694円安(-4.0%)。下げ幅は歴代5位。ザラ場では一時4,100円を超える下げ
- 引き金の1つはキオクシアのストップ安。米企業ビアサットとの特許裁判で約371億円(2億2,900万ドル)の賠償評決が出て、急騰していた株に売りが殺到
- もう1つはレバレッジの巻き戻し。お隣の韓国では半導体株の急落で信用取引の追証(追加保証金)が連鎖し、個人の投げ売りが投げ売りを呼ぶ展開に。日本にもその連想が波及
- そもそも直前まで、キオクシアは1ヶ月で2倍という急ピッチ。上がりすぎた分の反動が一気に出た
つまりこの暴落は、「AIの需要が消えた」から起きたのではありません。裁判という個別ニュースと、借金で買っていた人たちの強制決済が重なって、値段だけが先に落ちた。実際、3連休明けの7月21日には日経平均が2,091円高(+3.3%)と急反発し、キオクシアも+17%戻しています。
株価が壊れることと、ビジネスの構造が壊れることは、別の話です。では構造の方はどうなのか。次で説明します。
それでも「ここからが本番」と考える理由
理由は4つです。どれも「暴落したから終わり」をひっくり返す材料だと思っています。
① メモリの「地位」そのものが、上がった
これがいちばん大事な変化です。少し丁寧に説明させてください。
半導体、特にメモリは、長いあいだ「景気で上下する波もの(シクリカル株)」と見られてきました。パソコンやスマホが売れれば足りなくなって値上がりし、作りすぎれば暴落する。儲かったり大損したりを繰り返す、振れの激しいビジネスだったからです。
だから市場は、メモリ企業の利益が出ても「どうせまた落ちる」と身構えて、株価をあまり高く評価してきませんでした。今キオクシアのような銘柄が「上がったわりに割安に見える」のは、市場がまだこの古い目線で見ているからです。
でも、今回は質が違うと僕は見ています。
AIのデータセンターを作っている巨大IT企業が、メモリを「前払いの長期契約」で押さえに来ているのです。今回のマイクロン決算で、データセンター向け売上が前年の約7倍に跳ね、会社が「品不足は2027年以降も続く」と言い切ったのは、その表れです。買い手が頭を下げて先にお金を払い、数年分を確保しに来ている。
これはつまり、メモリが「買い叩かれる下請け」から「売り手が強い商売」へ、立場が入れ替わったということ。波で上下するビジネスから、安定して稼げるビジネスへ、地位そのものが上がりつつある。一過性のブームと、ここが決定的に違うところです。
② 数字で見ると、まだバブルではない
「もうバブルでは」という不安はわかります。でも、過去のバブルと並べてみます。
- AIブームはまだ3〜4年目(2000年のITバブルは弾けるまで7年かかった)
- 主要テック株のPER(株価が利益の何倍か)は26倍前後。2000年バブル当時のハイテク株はおよそ50倍と、今の倍近い
- 企業が実際に稼ぐ力は、当時より今のほうが高い
- AIにつぎ込まれる設備投資は、まだ増加の途中
熱狂だけで中身が伴わなかった2000年と、利益が実際に出ている今は、別物だと僕は見ています。
そのうえで、僕が「ここからバブルかどうか」を判断するときに見ている物差しを、そのまま共有します。次の3つが揃ったら警戒、というシンプルなチェックリストです。
- 主要テック株のPERが40倍に近づいてきた(今は26倍前後)
- 企業が稼ぐ力(ROE)が落ちてきた
- AIの設備投資が、増加から減少へ転じた
このどれも、まだ点灯していません。だから僕は「まだ序盤」と判断しています。
③ お金は「次の列」へ、順番に回っていく
相場には順番があります。今回まず買われたのは、メモリ(キオクシア)と検査装置(アドバンテスト)でした。実際、その後は半導体の製造装置へとお金が回り始めています。
ここから先の流れを、時間軸で整理するとこうなります。
- 今〜2027年(短期):メモリと、それを作る製造装置・検査装置。AIが「考える」ほど扱うデータが爆発し、高速メモリ(HBM)→作業用メモリ(DRAM)→保管用メモリ(SSD)と、メモリが何段にも積み増しされる
- 2027〜2028年(中期):電力と配線。データセンターが巨大化するほど、電気を効率よく送る仕組み(電源・パワー半導体)と、装置同士を高速でつなぐ配線がボトルネックになる
- その先(長期):CPUの復権。AIが「学習」から「実際に動かす(推論)」段階へ進むと、わき役だったCPUの出番が増え、最先端の製造ラインがさらに必要になる
今日の5銘柄は、この「短期で来ているもの」と「次に来る中期のもの」に、ちょうど並んでいる会社です。並べる順番も、この流れに沿っています。
④ 日経8万5千円には、ちゃんと計算の根拠がある
ふわっとした願望ではありません。
日本企業全体の1株あたり利益(EPS)は、ざっくり4,000円規模。これに株価の物差しであるPER20倍をかけると、日経平均で8万円。企業業績がもう一段伸びれば、8万5千円は十分に射程です。
しかも需給も追い風です。年10兆円を超える配当の再投資、過去最高ペースの自社株買い、新NISAの資金、そして円安による輸出企業の利益の底上げ。買う理由が何重にも重なっています。
位置関係を整理するとこうです。日経平均は6月25日に史上最高値の7万2,366円をつけ、7月17日の暴落で6万4,141円まで下げました。高値から約11%の調整です。そして7月21日の終値は6万6,232円。つまり今は「史上最高値から1割弱下」の位置にいます。業績の想定が崩れていない以上、僕には8万5千円のシナリオが消えたようには見えません。むしろ入口の値段が下がった分、計算上の伸びしろは広がっています。
ただし、最大のリスクは円安の行きすぎです。為替が一段と進むと景色が変わりかねない。そこは正直に頭へ置いておきます。
ここから、気になる5銘柄を紹介します
ランキングというより、いま僕が気になっている5銘柄です。だいたい「AIの需要の中心に近い順」に並べていますが、順位そのものに深い意味はありません。
5銘柄とも、7月17日の暴落でそれぞれ5〜10%下げました。そして7月21日の反発力には、はっきり差が出ています。その値動きも含めて、良いところだけでなく、気をつける点も正直に書きます。株価はすべて7月21日の終値です。
| # | 銘柄 | 何の会社 | 立ち位置 |
|---|---|---|---|
| ① | 東京エレクトロン(8035) | 半導体の製造装置 | ど真ん中。恩恵がもう数字に出ている |
| ② | イビデン(4062) | AI半導体の土台基板 | 中心に近い。急落で過熱がだいぶ冷めた |
| ③ | 日本ガイシ/NGK(5333) | 製造装置のセラミック部材 | 裏方の本命。バリュエーションは穏当 |
| ④ | ローム(6963) | パワー半導体(SiC) | テーマは本物だが、業績はこれから |
| ⑤ | パナソニックHD(6752) | AIインフラ(電源・蓄電) | そもそも半導体は作っていない |
① 東京エレクトロン(8035)|半導体を作る「機械」のど真ん中
5銘柄で僕が一番強いと見ているのがここ。半導体相場の「ど真ん中」です。
| 何の会社 | 半導体を作る「機械」の世界大手(製造装置)。半導体メーカーが顧客で、工場に並ぶ装置を供給する |
|---|---|
| 強み | 回路に薬液を塗る「塗布現像」で世界シェア約9割の独占。成膜・エッチング・洗浄など前工程の主要装置も軒並み握る |
| なぜ上がる | 半導体は回路が細かくなるほど工程数が増え、装置の台数は「半導体の数」以上に伸びる。AIのGPU・メモリ増産が、塗る回数にも工程数にもまとめて効く |
| 直近の業績 | 2026年3月期の純利益5,744億円は過去最高。来期は通期予想を見送ったが、上期は売上+33%・営業益+42%の強気予想 |
| 株価 | 66,570円(7/21終値・+2.3%反発)/暴落日7/17は-8.2%と日経平均以上に売られ、そのぶん値幅が出た/2026年10月に1株→5株へ分割予定 |
| 注意点 | 急落で圧縮されたとはいえPERは依然60倍台と高水準。売上の3割超を占める中国向けは米国の規制強化で削られるリスク |
露光装置のASML(オランダ)とは「焼くASML、塗る東京エレクトロン」で補完関係。CPUの最先端ラインが増えればそこでも装置が要るので、短期も中長期も追い風が続くと見ています。
② イビデン(4062)|AI半導体の「土台」を握る基板
中心への近さで言えば、ここも一級品。走りすぎていた株価は、この1ヶ月で3割超の調整が入りました。
| 何の会社 | GPUやCPUのチップを載せる「パッケージ基板」の世界トップ級。チップとマザーボードをつなぐ「土台」を作る |
|---|---|
| 強み | AIチップが高性能になるほど土台基板は巨大で多層に。量産できるのは世界で数社だけで、ハイエンドはイビデンと新光電気の日本勢で世界シェア7〜8割 |
| なぜ上がる | AIの主役GPUがどれに代わっても、その土台は誰が勝っても必ず要る。報道では3年で約5,000億円投資、うち2,200億をインテル・2,800億をエヌビディアが前払いとされ、需要の根っこを握る(金額・顧客名は報道ベース) |
| 直近の業績 | 2026年3月期は売上+12.7%・純利益+89%。ただし来期は売上+20%でも純利益は約9%減益(特別利益の反動とEV向けセラミック赤字) |
| 株価 | 17,415円(7/21終値・+11.0%と5銘柄で最強の反発・暴落分をほぼ全戻し)/PER約84倍(会社予想)/6月の高値からは3割超の調整を経た水準 |
| 注意点 | 調整後もPER約84倍と高水準。過去2回「強気の大型投資→需要消失→巨額損失」を経験(2008・2017年) |
主役交代に強いディフェンシブな本命。7月17日の暴落で1割下げた翌営業日に+11%で全戻しした反発力は、「押し目を待っていた買い手の多さ」の表れだと見ています。それでも株価が期待を先取りしている構図は変わらないので、外れたときの落ち方も大きい銘柄です。
③ 日本ガイシ/NGK(5333)|製造装置に「必ず要る」部材
地味だけど堅い。製造装置の「裏方の本命」として注目しています。
| 何の会社 | もと送電線の「碍子(がいし)」で世界最大級のセラミックメーカー。2026年4月に社名を「NGK株式会社」へ変更 |
|---|---|
| 強み | 半導体の製造装置で使う部材を供給。代表は真空中でウエハーを吸着固定する「静電チャック」。一度採用されると他社へ切り替えにくい |
| なぜ上がる | 装置メーカーが増産で潤えば、その消耗部材を出すこの会社にも遅れてお金が回る。製造装置向け売上は865億→1,138億→1,433億円(2026年3月期)と3年で急伸。6月の暴落局面ではほとんど下げなかった底堅さも評価(さすがに7月の急落では連れ安) |
| 直近の業績 | 2026年3月期は売上・営業利益とも過去最高(営業益+16.9%)。来期は純利益が約37%増の予想 |
| 株価 | 6,109円(7/21終値・+1.7%)/PER約21倍(会社予想・5銘柄でいちばん割安)/6月高値から2割強の調整で、戻りはまだ鈍め |
| 注意点 | 半導体は全社売上の約2割。売上の柱は自動車の排ガス浄化セラミックス(約6割)で、EV普及が進むほど縮む逆風 |
派手さはないけれど、利益成長を半導体が引っ張る多角化メーカー、という距離感が正確です。
④ ローム(6963)|AI電源のパワー半導体。ただし「これから」
テーマは本物。でも、業績の実態はこれから、という銘柄です。
| 何の会社 | パワー半導体メーカー。次世代素材「SiC(炭化ケイ素)」量産の先駆者で、世界シェア約11%の4位 |
|---|---|
| SiCとは | 電気の流れを整理する「関所」の素材。従来より電気のロスが小さく、AIデータセンターの莫大な電力を効率よく扱える |
| なぜ上がる | AIサーバーは1ラックで1メガワット超を消費。2027年ごろ本格化する「800ボルト直流給電」で電源部品が総入れ替えになり恩恵の可能性。サーバー電源のバックアップ装置向けには採用が決定済み(2026年5月) |
| 直近の業績 | 直近決算でSiC事業の大型減損1,936億円を計上、最終赤字1,584億円と過去最大。EV向けが鈍く逆風。来期は黒字転換見込み |
| 株価 | 4,734円(7/21終値・+4.5%反発)/PER約63倍(会社予想)/暴落週の下げは5銘柄で最大級(1週間で約-10%) |
| 注意点 | 急落で乖離は縮んだが、アナリスト平均目標株価(約4,260円)をなお1割ほど上回る。AI向けの本格貢献は2027年以降で、今は期待先行 |
つまり、物語は魅力的だけど、恩恵が数字に出るのは少し先で、株価は期待を相当先取りしている。だから今回の暴落週でも5銘柄で最大級に売られました。期待先行の銘柄は、相場が崩れたとき真っ先に削られる。それを織り込んだうえで付き合う銘柄です。
⑤ パナソニックHD(6752)|半導体は作っていない。でもAIインフラの有力株
最初にいちばん大事なことを言います。この会社は半導体を作っていません。
| 大前提 | 半導体そのものは作っていない(2020年に半導体事業を台湾企業へ売却済み)。「AI半導体の本命」ではない |
|---|---|
| 本当の強み | AIを「動かす土台」側。データセンター向け分散型電源システムで世界シェア約8割。蓄電装置や電力変動を吸収する部品、サーバー向け基板材料を手がける |
| なぜ上がる | AIデータセンターは大量の電気を食う。その電源・蓄電・部材に乗る。AIインフラ事業を2028年度に売上1兆3,800億円規模へ拡大する計画で、来期の営業利益が約2.3倍に回復する予想の主因 |
| 直近の業績 | 全社の2026年3月期は構造改革で営業利益が大きく減ったが、来期は営業利益が約2.3倍(+132%)へ回復する予想 |
| 株価 | 4,073円(7/21終値・+2.0%)/PER約23倍(会社予想)/暴落日の下げは-5.3%と5銘柄で最も浅く、値動きはディフェンシブ寄り |
| 注意点 | 6月の工場増設報道時に連想買いで急騰した経緯があり、AIインフラへの期待はすでに株価に入り始めている。本業は家電・車載・住宅と幅広く、AIインフラは全社の一部 |
「AI半導体の本命」ではなく「AIインフラ(電源・部材)の有力株」として見る。この距離感を間違えないことが大事です。
「個別株はやっぱり怖い」という人へ。ただし落とし穴がある
正直、初心者がこの5つから1つを選ぶのは難しいし、値動きも荒い。そういう人に現実的なのが、半導体株を「まとめて1本」で持つ方法です。代表的なのが次の2つ。中身(連動する日経半導体株指数)は同じで、違いは「買い方」だけです。
| 200A(ETF) | eMAXIS 日経半導体株インデックス(投信) | |
|---|---|---|
| 中身 | 日経半導体株指数(半導体30銘柄) | 同じ(中身は全く同じ) |
| 買い方 | 株と同じくリアルタイム売買 | 1日1回の基準価額。100円〜積立OK |
| 手数料 | 信託報酬 年0.165% | 信託報酬 年0.297%(買付手数料は無料) |
| 新NISA | 成長投資枠 | 成長投資枠 |
| こんな人に | 自分のタイミングで売買したい | コツコツ積み立てたい |
ただし、ここで初心者が必ず知っておくべき落とし穴があります。
「30銘柄に分散できる」と思って買うと、実態とズレます。この指数は時価総額が大きい銘柄ほど比率が高くなる仕組みで、上限の制限(1銘柄15%以内)は年に1回、11月末の見直しでしか効きません。その結果、急騰したキオクシア1社だけで一時は指数全体の約4割を占めました(2026年6月時点)。7月の急落でキオクシアの株価が下がった結果、足元では約3割まで低下しましたが、それでも「1社で3割」です(2026年7月中旬時点)。
つまりこのETFや投信を買うことは、その3割が「値動きの荒いキオクシア次第」ということ。30銘柄に分けたつもりが、かなりの部分は1社頼み、という状態です。
その荒さは今回の暴落で実証されました。キオクシアは7月17日にストップ安の1万円安(-16%)、3連休明けの7月21日には+17%の急反発。1日で2割近く動く世界です。ETFや投信を通しても、この荒さは薄まりこそすれ、そのまま背負うことになります。
おまけに、今日挙げた5銘柄のうちこの指数に入っているのは東京エレクトロンとロームだけ。イビデン・日本ガイシ・パナソニックHDは含まれていません。「この記事の銘柄をまとめて持てる」わけではない点も、正直に書いておきます。
それでも「個別の当たり外れを気にせず、半導体というテーマ全体に乗りたい」「キオクシア比率が高いのは承知のうえ」という人には、無理のない入口にはなります。証券口座をまだ持っていない人は、取扱が多くて手数料の安いネット証券から。口座の選び方はネット証券おすすめランキングで比較しています。
浮かれすぎないために。リスクも正直に
ここまで強気で書いてきましたが、最後に冷たい水もかけておきます。
僕の本音は「今年は堅い、来年は不透明、再来年以降はもっと読めない」です。足元のAI投資の強さは本物だと思っていますが、先に行くほど不確実性は増します。強気と慎重は、いつもセットで持っておくべきです。
半導体株は、上がるときも速いですが、下がるときも速いです。それは7月17日にみんなが目撃した通りです。キオクシアは1ヶ月で株価2倍近くまで上げたあと、高値からほぼ半値まで売られました。裁判の一報ひとつ、借金で買っていた人たちの投げ売りひとつで、簡単に1〜2割動く世界です。
しかも今回の5銘柄は、急落でだいぶ冷めたとはいえ、イビデンのPER約84倍、ロームの最終赤字とアナリスト目標超えのように、株価が業績の実態を先取りしているものが含まれます。「テーマが本物」と「今の株価が割安」は、別の話です。そして「暴落した」と「安くなったから買い」も、また別の話。下がった理由と構造を見てから判断する。今回僕が構造は無事だと判断した過程を、この記事にそのまま書いたつもりです。
僕がこの相場で「降りる」と判断するのは、AIの設備投資が増加から減少へはっきり転じたときです。今はまだ、その兆しは見えていません。だから握っていますが、そこが変わったら考えを変えます。
だからこそ、生活を揺らさない範囲の余裕資金で向き合うのが大前提です。フルレバレッジで全力、みたいなことはしない。当てにいくより、構造に乗り続けられるかのほうが、最後は効きます。
それを踏まえたうえで、僕は半導体相場はここからが本番だと見ています。今日挙げた銘柄が次にどう動くか、また数字で答え合わせしましょう。
まとめ
- 7月17日の歴代5位の暴落(-2,694円)は、キオクシアの裁判ニュースとレバレッジの巻き戻しが引き金。「AI需要の消滅」ではなく、値段だけが先に落ちた
- マイクロン決算で確認されたAIメモリ需要の構造(前払い長期契約・品不足は2027年以降も)は、この暴落で何も変わっていない
- メモリは「景気で上下する下請け」から「前払いで押さえられる売り手市場」へ、地位そのものが変わりつつある。これが「一過性のブーム」と決定的に違う点
- バブル警戒の物差し(PER40倍接近・ROE低下・AI設備投資のピークアウト)は、まだどれも点灯していない
- お金は短期=メモリと製造装置 → 中期=電源・配線 → 長期=CPU復権、と外側の列へ順番に回っていく。今日の5銘柄はその流れに並んでいる
- 注目するのは、AI需要の中心への「近さ」と恩恵の「確からしさ」で並べた5銘柄。東京エレクトロン(ど真ん中・恩恵が数字に出ている)、イビデン(中心に近い・急落で過熱が冷め、反発力は5銘柄最強)、日本ガイシ(裏方の本命・PER約21倍と穏当)、ローム(テーマは本物だが業績はこれから)、パナソニックHD(そもそも半導体は作っていないAIインフラ株・下げ耐性は最強)
- 個別株が難しい人は「200A」ETFや「eMAXIS 日経半導体株インデックス」という手もある。ただし中身の約3割はキオクシア1社で、実態は「分散」より「キオクシア集中」。今日の5銘柄のうち東京エレクトロンとローム以外は入っていない
- 値動きは荒く、株価が業績を先取りしている銘柄も多い。余裕資金と握力が前提
よくある質問(FAQ)
Q1. 暴落した今から買っても大丈夫ですか?
ここで「今が買い」と背中を押すことはしません。急落直後の相場は、反発と二番底が交互に来やすく、短期では荒れます。方向感でいえば、僕は半導体の構造は壊れておらず上昇トレンドはまだ続くと見ていますが、この値動きの荒さを理解したうえで、余裕資金で向き合うのが前提です。
Q2. 5銘柄の中で一番強いと見ているのはどれですか?
半導体を作る機械のど真ん中にいる東京エレクトロンです。半導体は細かくなるほど工程が増え、装置の台数は「半導体の数」以上に増える構造で、その恩恵がすでに過去最高益という数字に出ているからです。次いで、AIチップの土台基板を握るイビデンに注目しています。急落で株価は3割超調整しましたが、それでもPER約84倍と期待先行の水準である点には注意が必要です。
Q3. ロームやパナソニックを正直に注意つきで紹介するのはなぜですか?
読者の判断材料を歪めたくないからです。ロームは大型の減損で最終赤字、AIサーバー向けの本格貢献は2027年以降。パナソニックはそもそも半導体を作っていません。良いところだけ書いて煽るのは簡単ですが、それで損をするのは読んだ人です。強みと弱みの両方を出すのが、結局いちばん役に立つと思っています。
Q4. 「200A」のETFと「eMAXIS 日経半導体株インデックス」はどう違いますか?
中身(連動する日経半導体株指数)は同じです。違いは買い方です。200Aは株と同じようにリアルタイムで売買するETFで、信託報酬が年0.165%と低め。eMAXIS版は1日1回の基準価額で取引する投資信託で、100円からの積み立てや新NISA成長投資枠での運用に向いています。どちらも中身の約3割がキオクシア1社に偏っている点は共通の注意点です。
Q5. 日経平均8万5千円というのは確実ですか?
確実なことは誰にも言えません。これはあくまで僕個人の見立てで、半導体を中心に企業業績が伸びれば十分あり得る、という意味です。逆に円安が行きすぎたり、AI投資が急に冷えたりすれば、シナリオは変わります。断定ではなく、ひとつの見方として受け取ってください。
Q6. 株価はいつ時点のものですか?
本文中の株価は2026年7月21日の終値です。7月17日の急落と3連休明けの反発を挟んだ直後の水準のため、値動きは特に大きくなっています。最新の株価は、ご自身でも証券会社のアプリなどでご確認ください。なお東京エレクトロンは2026年10月1日に1株を5株へ分割する予定で、その後は株価の表示水準が約5分の1になります。
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この記事を書いた人
- 投資歴10年以上。FXから始め、2024年の新NISAを機に株式投資へ軸足
- 日本株(ファンダメンタルズ+スイング)メイン・新NISA/米国ETF/投資信託も併用
- 米国株の取引はmoomoo証券を中心に運用
- YouTube「FireriF(つよび・よわび)」でリアルな投資判断を発信中
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免責:本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価・指標は2026年7月21日終値時点で、変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。
最終更新: 2026年7月21日
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