こどもNISAは2027年1月開始 年間60万円・非課税保有限度額600万円・18歳までの新制度概要|こどもNISA いつから

結論から書きます。

こどもNISAが始まるのは、2027年1月1日です。

そして「開始予定」ではありません。根拠になる法律は、2026年3月31日にもう公布されています。日付は確定していると考えて大丈夫です。

ここまでが、検索して一番知りたかったことだと思います。

ただ、この記事で本当にお伝えしたいのは、その先にあります。

伝えたいことは2つです。

1つめ。こどもNISAには、他のNISAには無い落とし穴があります。値下がりの話ではありません。手続きの話です。知らずに始めると、10年積み上げた非課税が一瞬で消えます。

2つめ。そしてもっと大事な話ですが、多くの家庭にとって、この制度はそもそも必要ありません。

制度の中身を押さえたうえで、最後にその判断まで書きます。

順番に見ていきます。

こどもNISAはいつから?対象は誰?

項目 内容
開始 2027年1月1日
対象 その年の1月1日時点で18歳未満の人
年間投資枠 60万円
非課税保有限度額 600万円
非課税期間 無期限
買える商品 つみたて投資枠の対象商品のみ
買い方 定時・定額の積み立てのみ
18歳になったら 自動で成年NISAのつみたて投資枠へ移行

その年に生まれた子も対象です。0歳から口座を持てます。

これまでNISA口座は18歳以上しか作れませんでした。こどもNISAの創設で、その年齢制限そのものが撤廃されます。

こどもNISAの制度早見表 開始時期と対象年齢と年間投資枠60万円と非課税保有限度額600万円|こどもNISA

注意したいのは「買い方」です。

つみたて投資枠と同じなので、定時・定額の積み立てに限られます。まとまった資金を一括で入れる、という使い方はできません。

「ボーナスが出たから今月だけ多めに」も、基本的にできないと考えておいてください。

ジュニアNISAとは何が違うのか

こどもNISAは、2023年末で新規買い付けが終わったジュニアNISAの後継にあたります。

ただ、中身はかなり別物です。

ジュニアNISA こどもNISA
新規買い付け 2023年で終了 2027年1月から
年間投資枠 80万円 60万円
買える商品 株式・投資信託など幅広い つみたて投資枠の対象商品のみ
買い方 自由 積み立てのみ
使う口座 未成年者口座 非課税口座(成年NISAと同じ口座)
引き出し 原則18歳まで不可 原則18歳まで不可。ただし例外あり

一番大きな違いは、口座の置き場所です。

ジュニアNISAは「未成年者口座」という専用の箱を使っていました。こどもNISAは、大人と同じ「非課税口座」の中に「未成年者特定累積投資勘定」という枠が作られる形になります。

地味に聞こえますが、これは意味があります。18歳になったとき、口座を作り直す必要がありません。同じ口座の中で、そのまま成年NISAへ移ります。

ちなみに、ジュニアNISAで買った商品をまだ持っている人も、こどもNISAは使えます。箱が別なので、併用できるという整理です。

なぜジュニアNISAは失敗したのか

ここから、少し掘ります。

ジュニアNISAは、正直あまり使われませんでした。理由ははっきりしています。18歳になるまで、1円も引き出せなかったからです。

考えてみてください。

教育費が一番かかるのは、大学入学の前後です。つまり18歳。ところがジュニアNISAは、その直前まで手をつけられませんでした。

塾代がかさむ中学、高校の時期には、まったく使えない。

「教育資金のための制度」と言いながら、教育費が発生するタイミングで使えなかった。だから選ばれなかったわけです。

ジュニアNISAは教育費のピークである大学入学まで1円も引き出せなかったことを示す時系列図|こどもNISA

こどもNISAは、ここを変えてきました。

中学校に入学する年から、条件つきで引き出せるようになります。

つまり国は「大学費用を18年かけて貯める器」ではなく、「教育費全体を非課税で支える器」に設計を変えたということです。

だからこどもNISAは、18年間ただ放置する口座ではありません。途中で一部を取り崩す前提の制度です。ここを理解しておくと、選ぶ商品も持ち方も変わってきます。

ここが落とし穴。引き出し方を間違えると全部課税されます

さて、本題です。

こどもNISAには「払出し制限」があります。原則として、18歳になるまで非課税でお金を出せません。

そして、これを守らずに引き出した場合。

こうなります。

  • 非課税口座そのものが廃止されます
  • 口座を開いた日から引き出した日までの利益に、さかのぼって課税されます
  • 税率は所得税15%と地方税5%。合わせて20%です(復興特別所得税を除く)
  • 読み飛ばさないでください。

    「今年の利益に20%」ではありません。「口座を開いてからの利益ぜんぶに、さかのぼって20%」です。

    10年積み立てて含み益が出ていたとしたら、その10年分がまとめて課税対象になります。しかも口座は廃止されます。

    こどもNISAで一番怖いのは、相場の下落ではありません。手続きのミスです。

    こどもNISAで要件外の払い出しをすると口座廃止と開設時からの利益に遡及して20%課税される図|こどもNISA

    では、どうすれば非課税で引き出せるのか

    例外は2つあります。子どもの学年で分かれます。

    中学校に入学する年より前

    3月31日時点で11歳以下である年の12月31日までが、この区間です。

    災害や疾病など、決められた事由に当てはまる場合だけ引き出せます。

    • 住んでいる家屋が災害で全壊、流出、半壊、床上浸水などの損害を受けた
    • 前年の医療費控除の対象となる医療費が合計200万円を超えた
    • 扶養者が配偶者と死別または離婚した、寡婦やひとり親に該当することになった
    • 扶養者が特別障害者に該当することになった
    • 扶養者が特定受給資格者や特定理由離職者に該当した、または事業の廃業などがあった

    この場合、税務署長の確認を受けたうえで、金融機関に書面を出す必要があります。

    しかも、一部だけ引き出すことはできません。保有している商品と資金を全部払い出すことになります。

    中学校に入学する年から

    3月31日時点で12歳である年の1月1日以降です。

    ここから選択肢が増えます。上の災害等の事由に加えて、子ども本人の教育費や生活費に充てるための引き出しが認められます。

    必要なのは「特定累積投資上場株式等移管等依頼書」という書類を金融機関に出すこと。オンラインでの提出も可能とされています。

    そしてこちらは、一部だけの引き出しもできます。

    こどもNISAで非課税の払い出しが認められる条件を中学校入学年の前後で分けた分岐図|こどもNISA

    ここ、よく「12歳から子どもの同意があれば引き出せる」と書かれています。

    正確ではありません。必要なのは同意ではなく、書類の提出です。そして境目になるのは誕生日ではなく、中学入学年の1月1日です。

    払出し制限が完全に解除されるのはいつか

    高校3年生の年、つまり3月31日時点で18歳である年の1月1日です。

    判定が誕生日ではなく3月31日時点なのは、早生まれの人に配慮したものと考えられます。

    ただし、ここで1つ知っておきたいことがあります。

    1月から3月生まれのいわゆる早生まれの人は、1月1日時点ではまだ17歳です。払出し制限は解除されているのに、成年NISAへの移行はまだできません。

    つまり、引き出せるけれど成年NISAでは取引できない1年間が生まれます。

    これはこどもNISAで新しく発生した話ではなく、NISAの年齢判定が1月1日基準であることから元々あるズレです。それでも、早生まれのお子さんがいる家庭は頭に入れておいてください。

    売却したお金は、専用の口座にプールされます

    もう1つ、知っておきたい仕組みがあります。

    こどもNISAで持っている投資信託を売ったお金や、受け取った分配金は「特定課税未成年者口座」という口座で管理されます。

    これはNISA口座を開いた金融機関に作る、預金口座か預り金の管理口座です。

    そしてこのお金は、こどもNISAでの買い付けにしか使えません。課税口座で株を買うことにも使えないルールです。

    もちろん、この口座のお金にも払出し制限がかかります。

    売ったお金がそのまま手元に戻ってくるわけではない、というのは押さえておいてください。

    なお、売却によって空いた非課税枠は再利用できます。ここは成年NISAと同じで、簿価ベースでの計算です。

    金融機関選びは、成年NISAより慎重に

    これは意外と語られていない点です。

    成年NISAでは、口座そのものを残したまま勘定だけを廃止することで、金融機関を変更できます。

    こどもNISAでは、それができません。

    金融機関を変えたい場合、非課税口座ごと廃止して、変更先の金融機関で開き直すことになります。そして口座を廃止すると、そこで持っていた商品は全部課税口座に払い出されます。

    つまり、後から気軽に乗り換えられる制度ではありません。

    最初にどこで開くかが、成年NISAよりずっと重い判断になります。

    取り扱う商品のラインナップ、積立の設定のしやすさ、クレカ積立に対応するかどうか。開設前に確認しておきたいところです。

    各社の対応内容は2026年8月28日時点でまだ出そろっていません。制度開始が2027年1月なので、2026年後半に順次発表されると見ておくのが自然です。

    親のNISA枠とは別枠です

    よくある疑問なので、ここも整理します。

    こどもNISAの口座名義は、子ども本人です。親の口座ではありません。

    したがって、親自身のNISA生涯投資枠1,800万円とは別に、子ども1人につき600万円の非課税枠が持てることになります。

    子どもが2人いれば、家庭全体で使える非課税の枠はその分増えます。

    親の1800万円と子の600万円が別枠であることを示す家族全体のNISA非課税枠の図|こどもNISA

    ただし、資金を出すのが親である以上、これは子どもへの贈与にあたります。

    年間60万円であれば、暦年贈与の基礎控除110万円の範囲には収まります。ただし他に贈与がある場合や、まとまった額を動かす場合は扱いが変わります。

    また、名義だけ子どもにして実質は親が自由に使っている状態だと、名義預金と見なされる可能性があります。子ども名義の資産として管理する意識は持っておいてください。

    金額が大きくなる場合は、税理士に確認するのが確実です。

    そもそも、こどもNISAは使ったほうがいいのか

    ここまで制度の中身を書いてきましたが、一番大事な話が残っています。

    多くの家庭にとって、こどもNISAは必要ありません。

    理由を説明します。

    親のNISA枠、使い切っていますか

    大人のNISAは、年間360万円まで投資できます。つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計です。生涯で使える非課税保有限度額は1,800万円。

    夫婦で口座を持てば、年720万円、生涯3,600万円になります。

    この枠を使い切っている家庭が、どれくらいあるでしょうか。

    年360万円は月30万円です。教育費も住宅ローンも払いながら、これを毎年埋め続けられる家庭は多くありません。

    つまり多くの家庭では、親の非課税枠がまだ余っています。

    枠が余っているなら、親の口座でいい

    ここが結論です。

    教育費のためにお金を増やしたいだけなら、親のNISA口座で積み立てれば済みます。

    しかも親の口座のほうが、使い勝手は上です。

    親のNISA こどもNISA
    引き出し いつでも自由 原則18歳まで不可
    引き出しの手続き 不要 書類の提出が必要
    手続きミスの罰則 なし 口座廃止+遡及して20%課税
    買える商品 個別株・ETFも可 つみたて対象商品のみ
    買い方 一括も可 積み立てのみ
    金融機関の変更 勘定廃止で可能 口座ごと廃止が必要

    全部の項目で、親のNISAのほうが自由です。

    子ども名義にした瞬間、流動性が落ちて、手続きが増えて、罰則リスクが生まれる。それでも得られるものは「非課税枠が600万円増える」という一点だけです。

    親の枠が余っているうちは、その一点に価値がありません。

    親のNISAとこどもNISAの比較表 引き出しと手続きと罰則と買える商品と金融機関の変更|こどもNISA

    では、誰が使うと得なのか

    こどもNISAが効くのは、限られた家庭です。

    1. 親の1,800万円を使い切る見込みがある家庭

    すでに夫婦で枠を埋めるペースなら、非課税で置ける場所が足りなくなります。こどもNISAで1人600万円ずつ増やせるのは意味があります。

    2. 祖父母から孫へ資産を移したい家庭

    これが現実的には一番多いパターンだと思います。

    祖父母が孫のために資金を出す。子ども名義の口座で非課税運用する。18歳まで引き出せない制限が、逆に「途中で使ってしまわない」歯止めとして働きます。

    贈与と資産移転をセットで考えるなら、こどもNISAは筋が通ります。

    3. 子ども名義の資産として明確に分けたい家庭

    親の口座で運用していると、どこまでが子どものお金か曖昧になります。名義を分けておきたい、確実に子どもに渡したい。そういう考え方であれば選ぶ理由になります。

    金融教育の観点で、子どもに自分の口座を見せたいという動機もあるでしょう。

    満額でやろうとしなくていい

    年60万円は月5万円です。

    児童手当を全部回してもまだ足りません。親のNISAも並行してやるなら、なおさら現実的ではない家庭が多いはずです。

    上限は上限であって、目標ではありません。月1万円でも制度としては成立します。

    よわびも下の子が生まれたとき、児童手当を別口座に分けるところから始めました。まず置き場所を決めて、そのあと金額を考える。この順番のほうが続きます。家計の整理から入るならズボラでも続く家計簿のつけ方も参考にしてみてください。

    2026年のうちにやっておきたいこと

    制度開始は2027年1月です。今できることを整理します。

    1. まず、自分の家庭に必要か判断する

    前の章のとおりです。親のNISA枠が余っているなら、急いでこどもNISAを開く必要はありません。

    判断の順番はこうなります。

  • 夫婦のNISA枠は、いま年間いくら使っているか
  • その枠を数年で使い切る見込みがあるか
  • 祖父母から資金を出してもらう予定があるか
  • 1と2でノーなら、こどもNISAより先に親の枠を埋めるほうが合理的です。

    2. 金融機関の発表を待つ

    さきほど書いたとおり、こどもNISAは後から金融機関を変えるのが重い制度です。

    急いで決める必要はありません。2026年後半に各社の対応が出そろってから比べるほうが、結果的に得をします。

    3. 積み立てる商品の考え方を決めておく

    こどもNISAは18年放置する口座ではありません。中学入学年から取り崩す可能性がある口座です。

    18年フルで運用する前提と、12歳から一部使う前提では、選ぶ商品も変わります。

    つみたて投資枠の対象商品の中から選ぶことになるので、新NISAつみたて投資枠のおすすめ銘柄の考え方はそのまま応用できます。

    4. ジュニアNISAの残高を確認する

    ジュニアNISAで買った商品を持っている場合、そのまま継続管理勘定で保有が続きます。こどもNISAとの併用も可能です。

    いま何をいくら持っているか、確認しておくと動きやすくなります。

    一次ソースはここで確認できます

    制度の細かい条件は、必ず一次情報で確認してください。

    • 自由民主党・日本維新の会「令和8年度税制改正大綱」(2025年12月19日公表)
    • 所得税法等の一部を改正する法律および関連政省令(2026年3月31日公布)
    • 大和総研「2027年1月開始 こどもNISAの概要」(2026年5月26日)
    • 金融庁 NISA特設ウェブサイト

    金融機関ごとの取り扱いについては、各社の公式発表を確認してください。

    よくある質問

    こどもNISAはいつから始まりますか?

    2027年1月1日からです。根拠となる法律は2026年3月31日に公布済みで、開始時期は確定しています。

    0歳の赤ちゃんでも口座を作れますか?

    作れます。その年に生まれた子も対象です。NISA口座の年齢制限そのものが撤廃されます。

    年間いくらまで投資できますか?

    年60万円です。成年NISAのつみたて投資枠120万円の半分にあたります。生涯で使える非課税保有限度額は600万円です。

    途中でお金を引き出せますか?

    原則として18歳まで非課税では引き出せません。中学校に入学する年からは、本人の教育費や生活費に充てる場合に限り、書類を提出すれば引き出せます。それ以前は災害や疾病など決められた事由のみです。

    条件を満たさずに引き出したらどうなりますか?

    非課税口座が廃止され、口座開設時から引き出し日までの利益にさかのぼって課税されます。税率は所得税15%と地方税5%です。ここが一番の注意点になります。

    どんな商品が買えますか?

    つみたて投資枠の対象商品のみです。個別株やREITは買えません。買い方も定時・定額の積み立てに限られます。

    ジュニアNISAを持っていても使えますか?

    使えます。ジュニアNISAは未成年者口座、こどもNISAは非課税口座と、使う口座が別なので併用できます。

    18歳になったらどうなりますか?

    自動で成年NISAのつみたて投資枠に移行します。口座を作り直す必要はありません。ただし早生まれの人は、払出し制限の解除と成年NISAへの移行の間に1年のズレが生じます。

    親のNISA枠は減りますか?

    減りません。口座名義は子ども本人なので、親の生涯投資枠1,800万円とは別枠です。

    親のNISA枠が余っていても、こどもNISAを使うべきですか?

    急ぐ必要はありません。親のNISAには払出し制限がなく、買える商品も広く、金融機関の変更も簡単です。教育費のために増やしたいだけなら、まず親の枠を使うほうが自由度は高くなります。こどもNISAが効くのは、親の1,800万円を使い切る見込みがある場合や、祖父母から孫へ資産を移したい場合です。

    上限の年60万円を毎年埋めないと意味がないですか?

    そんなことはありません。年60万円は月5万円にあたる金額で、児童手当を全額回しても届きません。上限は上限であって目標ではないので、月1万円でも制度としては成立します。

    金融機関はあとから変えられますか?

    変えられますが、成年NISAより手間がかかります。勘定だけの廃止では変更できず、非課税口座ごと廃止して開き直す必要があります。廃止すると保有商品は課税口座に払い出されます。

    売却したお金はすぐ受け取れますか?

    受け取れません。売却代金や分配金は「特定課税未成年者口座」で管理され、こどもNISAでの買い付けにしか使えません。この口座にも払出し制限がかかります。

    贈与税はかかりますか?

    年60万円であれば暦年贈与の基礎控除110万円の範囲内に収まります。ただし他の贈与がある場合は扱いが変わるので、金額が大きくなる場合は税理士に確認してください。

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    最終更新: 2026年8月28日

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