結論(2026年8月10日時点)
・自賠責は2026年11月1日以降に保険が始まる契約から平均6.2%の引上げ
・任意保険の目安「参考純率」は平均14.4%の引上げで届出済み(金融庁の審査は通過)
・ただし各社が採用するか、いつ売値に反映するかは会社ごとの判断
・14.4%を受けた各社の改定時期は、どこもまだ公表していない
・当たり判定は手続きをした日ではなく「保険が始まる日」

先に言葉の整理を。自賠責は車を持つ人全員に加入義務がある最低限の保険で、任意保険はその上乗せです。今回の値上げは、この2つが別々のスケジュールで動きます。

この記事は「いつ・なぜ・何をすべきか」に徹します。どこが安いかという商品選びは自動車保険おすすめランキングへ。

よわびえ、また上がるの?去年も上がった気がするんだけど。
上がる。ただし全員が同じ日に同じ幅で上がるわけじゃない。ここを分けないと、自分がいつ影響を受けるのか一生わからない。つよび
自賠責は2026年11月1日から平均6.2%、任意保険は時期も幅も会社ごとに違うことを示す図

まず結論。更新月で3ルートに分かれる

自分がどこに当たるかを先に確認してください。自賠責と任意保険は分けて見ます。

  • 2026年10月までに始期が来る人:自賠責は現行料率のまま。任意は会社しだいで、東京海上日動の契約者は10月始期から新料率になると報じられています
  • 2026年11月〜12月に始期が来る人:自賠責は新料率。任意は会社しだい
  • 2027年1月以降に始期が来る人:自賠責は新料率。任意は会社しだいで、MS&AD傘下2社は2027年4月からの予定です

判定されるのは手続きをした日ではありません。契約期間の初日、つまり保険始期。継続契約なら、満期日の翌日がそのまま次の契約の始期になります。

自賠責には明文があります。保険期間の始期が2026年11月1日以降の契約に新料率。10月31日までに始期が来れば現行のままです。

任意保険も判定の考え方は同じでした。損保ジャパンの改定案内は「2026年7月1日以降に満期を迎えるお客さまへ」という表題。ソニー損保の告知も「商品改定を行いました(保険始期日 2026年7月1日〜)」です。継続契約なら、今の契約の満期日が次の契約の始期になります。

長期契約の途中の人は、満期までは影響を受けません。ただし逃げ道にもならない。損保ジャパンは改定案内でこう明記しました。

保険期間が1年のお客さまとの公平性を図るため、長期契約の保険料を引き上げます

同じ案内は、長期分割払契約についても踏み込んでいます。保険期間を1年超とし、月払または年払で保険料を分ける契約のこと。1年度目の保険料が、同じ補償内容の1年契約より高くなる。契約条件によっては2年度目以降が、それより前の保険年度より高くなる場合もあるとのこと。

「参考純率14.4%アップ」は保険料が14.4%上がる意味ではない

ここを外すと、この先の話が全部ズレます。保険料は2つの部分でできている。

  • 純保険料率=保険会社が支払う保険金に充てられる部分
  • 付加保険料率=保険会社の経費等に充てられる部分

この純保険料率について、全社共通の参考数値を出している団体があります。損害保険料率算出機構。損保各社が会員の、非営利の民間法人です。これが参考純率。原価の目安、と考えてください。

機構は2026年6月23日、平均14.4%の引上げを金融庁長官に届け出ました。6月30日には、金融庁による適合性審査(届け出た数値が法律の基準に合っているかのチェック)の結果通知を受け取っています。

自動車保険の参考純率水準(2027年1月以降に保険始期を有する契約を想定)は、平均14.4%の引上げが必要となりました。

ただし機構は但し書きも書いています。

  • 参考純率は使用義務のない参考数値で、各社が独自に算出することもできる
  • 採用するか否か、販売時期をどうするかは各保険会社が判断する

付加保険料率にいたっては機構が算出しておらず、各社が決めています。つまり上がったのは「原価の目安」だけ。

そして「2027年1月以降」は参考純率側の想定であって、各社の実施時期ではありません。

今出ている値上げは、14.4%への対応ではない

ここがいちばん混同されやすいところ。時系列を並べると見えます。

  • 2026年5月11日:東京海上日動が2026年10月から平均6.5%と発表
  • 2026年5月26日:MS&ADが2027年4月に自動車約6%を検討と公表
  • 2026年6月23日:機構が平均14.4%を届出

どちらも届出より前です。各社が挙げている理由も、修理費や部品代、人件費の高騰。14.4%への対応ではありません。

では各社は何に反応してきたのか。1つ前の届出です。損保ジャパンは改定案内でこう書いています。

損害保険料率算出機構が算出する自動車保険参考純率において、2024年6月に保険料水準の引上げなどの改定が実施されたことや、近年の急激な物価上昇に伴う修理費の増加や自然災害の頻発化・激甚化により、お支払いしている保険金が増加しているといった現状をふまえ、保険料水準の見直しを行います

今起きている値上げは、2024年6月の届出(平均5.7%の引上げ)への対応が中心。これを受けた各社の改定は約6〜8.5%でした。目安より上振れしています。

そして今回の14.4%を受けた改定時期は、2026年8月10日時点でどこも公表していません。つまり、いま報じられている値上げのさらに先に、もう一段が控えている可能性があります。

参考純率の改定は「値上げ」だけではない

そもそも参考純率の届出には2種類あります。水準そのものを動かす改定と、区分や制度だけを変える改定です。

届出平均改定率
2009年6月22日+5.7%
2014年6月27日+0.7%
2017年5月11日▲8.0%(引下げ)
2021年9月22日▲3.9%(引下げ)
2024年6月24日+5.7%
2026年6月23日+14.4%

水準改定を伴う届出のみ。▲はマイナス。2026年8月10日時点。出典:損害保険料率算出機構 各年の参考純率届出資料

上げ基調はここ数年の話で、2017年と2021年は引下げでした。

一方、水準を動かさない届出もあります。2018年9月は自家用普通・小型乗用車の型式別料率クラスを9から17に細分化し、軽四輪に3クラスを新設。2023年6月は軽四輪のクラスを3から7へ拡大しました。どちらも平均改定率の記載がありません。区分の変更であって、値上げではないからです。

つまり水準を動かす改定は毎年ではなく、2024年6月の次が2026年6月でした。

「平均14.4%」の平均が何を指すかも要注意。資料には「契約条件ごとの改定率は異なります」とあります。機構自身、過去の届出で踏み込んだ説明をしていました。平均5.7%だった2009年の案内文です。

例えば、最も一般的な自家用乗用車(普通・小型)では、20%を超える引上げの場合もあれば、10%近い引下げの場合もあります。

平均の裏側では、これだけ散らばる。今回も同じ構造だと考えておくべきです。

保険料は純保険料率と付加保険料率で構成され、機構が目安を出すのは純保険料率だけであることを示す図

契約例で見る改定率

2026年6月23日の届出資料には、具体的な契約例での改定率も載っています。

  • 自家用普通・小型乗用車:車両保険あり+17.2%/なし+16.4%
  • 自家用軽四輪乗用車:車両保険あり+17.5%/なし+15.8%

セット契約(対人・対物・人身傷害などを組み合わせた一般的な契約形態)の例です。主な前提は4つ。記名被保険者(その車を主に運転する人)が45歳で26歳以上補償。ノンフリート等級は20等級で無事故。ノンフリート等級とは、事故歴に応じた1〜20段階の割引・割増の区分で、20が最上位です。ASV割引(発売後約3年以内の型式で衝突被害軽減ブレーキ装着なら9%割引)の適用はなし。

そして車両保険の金額。普通・小型乗用は200万円、軽四輪は100万円が前提です。型式別料率クラスは普通・小型乗用がすべて「7」、軽四輪はすべて「4」。車の型式ごとのリスクをクラス分けして保険料に反映する仕組みで、型式は車検証に書かれています。

読み取れることは2つ。今回の改定では、車両保険を付けている場合にかぎり軽のほうが上げ幅が大きい(+17.5%と+17.2%)。逆に車両保険なしでは軽のほうが小さい(+15.8%と+16.4%)。

ただし車両保険の金額前提が200万円と100万円で違います。軽と普通車の上げ幅を、そのまま単純比較はできません。

そして車種を問わず、車両保険を外すと上げ幅も小さくなること。これは今回に限った傾向です。前回2024年6月の届出では逆で、車両保険なしのほうが上げ幅は大きくなっていました。

年間保険料6万円の人なら、仮に17%で年約1万円、月850円ほどの増加。あくまで参考純率ベースの試算で、実際の保険料の改定率とは別物です。

固定費全体を見直す視点は固定費の見直しで年間いくら浮くかにまとめています。

無事故で20等級なのに、なぜ自分まで上がるのか

ノンフリート等級は、1年間無事故なら翌年1つ上がり、事故があると3等級下がる仕組みです。

+17.2%という数字は、その20等級のベテランでも上がるという前提のもの。納得しにくい話ですが、理由は2つに分解できます。

事故率より、1件あたりの単価が効いている

事故率は、新型コロナ以降に交通量が回復したことに伴う増加が見られましたが、足元ではこれがいったん落ち着き、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)等の先進安全技術の普及を背景に緩やかに減少しています

AEBとは、前方の車や人を検知して自動でブレーキをかける装置。コロナ後にいったん増えた事故率が、足元では落ち着いて減少に向かっている、というのが機構の説明です。

問題はその先。対物賠償責任保険(他人の車や物を壊したときの賠償を補償する保険)です。この保険と車両保険で「1件あたりの支払保険金」が上がり続けている。その上昇が事故率の減少を上回った。これが機構の結論です。

2年で修理費が15%増えた

費目2022年度2024年度
部品費155174
工賃6473
塗装費5360
間接損害6379
合計336386

単位:千円。端数処理のため内訳の合計と一致しない場合があります。対物賠償責任保険について公表された例。2026年8月10日時点。出典:損害保険料率算出機構(2026年6月23日届出資料)

前回改定時点の2022年度から2年で、33万6千円が38万6千円へ。約15%の増加です(年次の伸びは+6.7%と+7.6%)。

伸び率が最大なのは間接損害。6万3千円から7万9千円へ、約25%増えました。間接損害とは、修理そのものではなく修理期間中の代車料などのこと。

対物賠償責任保険の例では、単価上昇への影響度合いはこう分解されています。

  • 工賃単価の上昇が40%程度
  • 物価上昇や高性能部品の普及等が35%程度
  • その他(代車料等)が25%程度

安全装備が増えて事故は減った。でも、ぶつけたときのセンサーやカメラ付き部品が高い。これがトレードオフの正体。

等級はあくまで、自分の事故歴に応じた割増引の仕組みです。社会全体の修理費上昇を打ち消す装置ではありません。無事故の人は「上がりにくい」だけ。

事故率は減少しているのに1件あたりの支払保険金が上昇し、値上げにつながる構造を示す図
よわびじゃあ逆に、安全運転したら下がる仕組みってないの?
いい質問だ。実は今回の届出、値上げとセットでそれが入ってる。ただ、すぐ使えるとは限らない。つよび

値上げの裏で、安全運転が割引になる新区分ができた

今回の届出は2本柱です。参考純率水準の平均14.4%引上げと、もう1つが「運転者の運行特性を保険料に反映する料率区分の新設」。

中身はこうです。ドライブレコーダー等で測定した急加速・急減速の頻度から区分1〜3に分け、区分1(最もリスクが低い)が最も安くなる。区分1と区分3の較差は10%。判定は一定期間の走行状況から総合的に行い、1回の急操作で決まるわけではありません。

機構はこの新設について、社会全体で安全運転が意識され、交通事故が減っていくことにつながると期待できると書いています。

さきほどの契約例も「運行特性区分:車両走行データなし」が前提。つまり+17.2%等の数字は、この新区分を一切使っていない素の状態です。

ただし制度ができただけで、実装は各社これから。しかも逆行の動きもあります。ソニー損保は「安全運転でキャッシュバックプラン」の新規申込みを2026年3月31日で一時停止しました。継続の申込みは保険始期日が2027年3月31日以前の契約まで。リニューアルして2028年度中の販売再開を目指すとしています。

ドラレコを付ければ今すぐ10%安くなる、という話ではありません。使えるかどうかは自分の会社の商品しだいです。

あなたの保険会社はいつ・どれだけ上げた?

先に一言。機構の数字は届出資料まで特定できますが、各社の改定率はニュースリリース一覧には載りません。以下は報道ベースです。

保険会社実施済みの改定今後の予定
東京海上日動2025年10月に約8.5%2026年10月に約6.5%
損保ジャパン2026年1月に約7.5%
2026年7月に約1.8%
未公表
三井住友海上2026年1月に約7%2027年4月に約6%を検討
あいおいニッセイ同和2026年1月に約6%2027年4月に約6%を検討
ソニー損保2026年1月始期分
2026年7月始期分(率非公表)
未公表

率はいずれも報道ベース。2026年8月10日時点。三井住友海上とあいおいニッセイ同和は2027年4月1日に合併予定。「未公表」は各社公式ページで確認できなかったという意味です。

「1月に全社一斉」という思い込みが、いちばん危ない。

東京海上日動は2025年10月に約8.5%、2026年10月にも約6.5%上げると報じられました。後者は同社として過去2番目の上げ幅。2024年1月以降4回目の改定にあたります(共同通信・朝日新聞・日本経済新聞、2026年5月11日)。1社の履歴を追うだけで「1月に全社一斉」は崩れます。

損保ジャパンは2026年1月と7月の2回。更改が7〜12月の人は、1月分とあわせて平均約9.4%の上昇と報じられました(日本経済新聞、2026年2月)。ソニー損保も同じく年2回です。

そして2027年。MS&AD(三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の親会社)は2026年5月26日、傘下2社の方針を明らかにしました。2027年4月に自動車保険を平均約6%引き上げる方向で検討中とのことです。出典は共同通信・朝日新聞・読売新聞、2026年5月26日。両社は2027年4月1日に合併予定で、改定と合併が重なります。

検索しても公式が出てこない理由

2027年の改定率について、4社の公式ページを実際に開いて確認しました。2026年8月10日時点の結果です。

  • 損保ジャパン:自動車保険改定のご案内一覧。最新は2026年7月版で、2027年分の掲載なし
  • ソニー損保:お知らせ一覧。自動車保険の商品改定は2026年1月1日始期分が最新
  • あいおいニッセイ同和損保:ニュースリリース一覧。保険料改定のリリースなし
  • 東京海上日動:2026年度ニュースリリース一覧。保険料改定のリリースなし

値上げは報道が先に出て、契約者には「改定のご案内」という別ルートで届く。これが実態です。国内全社を見たわけではないので、断定はしません。

「値上げの話を聞いたのに公式サイトに何もない」という違和感。あなたの探し方が悪いわけではありません。

見るべきはカレンダーの1月ではない。自分の会社から届く改定案内と、自分の満期日です。会社ごとに時期も幅も違うなら、同じ条件で横並びに比べる以外に判断材料がありません。比べ方は自動車保険の一括見積もり完全ガイドへ。

自賠責は2026年11月1日から。13年ぶりの引上げ

自賠責保険は、他人を死傷させたときの人身損害を補償します。前回の引上げは2013年。以後は据え置きか引下げが続いていました。機構は2026年4月30日、全車種平均6.2%の引上げを届け出ています。

車種(24か月)現行改定後差額
自家用乗用自動車17,650円18,560円+910円(5.2%)
軽自動車(検査対象車)17,540円18,660円+1,120円(6.4%)
自家用小型貨物自動車20,340円21,430円+1,090円(5.4%)
一般原動機付自転車8,560円9,630円+1,070円(12.5%)

2026年8月10日時点/2026年11月1日改定予定。離島および沖縄県を除く地域。基準料率とは、自賠責で全社共通に使う料率のこと。任意保険の参考純率とは別物です。地域は4区分に分かれ、離島や沖縄県では金額が変わります。出典:損害保険料率算出機構(2026年4月30日届出「主要車種の改定率の例」)

出典が例示する主要4車種の中で、率がいちばん重いのは原付の12.5%。ただし金額の差は乗用車の+910円に対して+1,070円で、160円しか違いません。率と金額はセットで見てください。

36か月契約なら、自家用乗用が23,690円→24,690円(+4.2%)。自家用乗用では、24か月の5.2%より率は低くなります。ところが一般原動機付自転車は10,170円→11,480円(12.9%)。24か月の12.5%より高い。長い契約のほうが率が下がるとは限らず、車種によって向きが違います。

なぜ11月なのか。なぜ13年ぶりに上がるのか

自賠責の改定は、例年なら1月に審議会を開き、その3か月後の4月に実施されてきました。直近の例では2023年1月の審議会に対して2023年4月の改定。ところが今回は、審議会が2026年4月17日で実施は11月1日です。

理由は金融庁の資料に書かれています。第152回自動車損害賠償責任保険審議会 資料4「料率改定時の新料率適用開始時期の変更について」。4か月の後ろ倒しを2つに分けて説明しています。

なお「One-JIBAI」とは、2025年1月に利用開始した業界共同システムのこと。自賠責の引受や契約管理を各社で共同利用する仕組みです。

  • 「One-JIBAI」の導入で、新料率に向けたシステム開発の工程が現行比で3か月程度増えた
  • 道路運送車両法の改正で車検の受検可能期間が全国一律「2か月前」となり、自賠責の引受可能期間も1か月拡大した

3か月と1か月で、合わせて4か月。例年なら審議会の3か月後に実施していたところが、7か月後になったわけです。

上げ幅6.2%の内訳は、純保険料率が1.9%、社費と代理店手数料が4.3%。社費とは、契約事務や損害調査に充てる部分のこと。なお届出資料は、この内訳を現行料率の構成割合にもとづく計算値だと注記しています。

理由も明快です。2023年度に引き下げられた現行料率には「滞留資金」が使われていました。過去契約分の収支差額と利息の蓄積のことで、2022年度末で7,239億円。これを取り崩し、純保険料率は収支が均衡する水準より3割程度安く設定されていたのです。

その資金は2025年度末までに約2,000億円減少。そこへ物価と賃金の上昇が重なった。これが今回の引上げの正体です。

なお自家用乗用の24か月は、2013年度に27,840円でした。今回18,560円に上がっても、当時より約9,280円安い水準。

自賠責は車検とセットで払うため、契約者に選ぶ余地はありません。調整できるのは任意保険側だけ。

自賠責6.2%の内訳(純保険料率1.9%と社費・代理店手数料4.3%)と滞留資金が約2,000億円減ったことを示す図

「値上げ前に乗り換え」は正解とは限らない

満期日は自分の都合で自由に前倒しできるものではありません。まずこの前提から。

契約の途中で解約して新しい契約を始めると、等級の進行が後ろ倒しになる場合があります。等級が1つ上がる条件は「1年間無事故」であって、「契約を続けたこと」ではないからです。20等級に達していない人ほど不利になりやすい構造。

満期のタイミングでの乗り換えなら、等級は引き継げます。

時間軸も冷静に。1年分だけ現行料率で乗り切っても、翌年には新料率が来ます。年2回上げる会社もあるので、「逃げ切る」という発想自体が成立しにくくなりました。

よわびじゃあ車検を早めに受けたら、自賠責の値上げは避けられる?
それが効かない。判定は受けた日じゃなくて、保険が始まる日だから。つよび

満了日の2か月前から継続検査(いわゆる車検の更新手続き)を受けられます。ただし新しい有効期間は、従前の満了日の翌日から起算されます。次の自賠責もその満了日の翌日に接続する形。

つまり受検日を10月に早めても、保険が始まる日が11月1日以降なら新料率です。ここでも効くのは始期のルールでした。

今からできる備え

やることは3つ。

まず満期日を確認する。当たり判定は保険始期で決まるので、ここを知らないと何も判断できません。

次に、自分の保険会社から届く改定案内を読む。時期も幅も会社ごとに違い、公式サイトには載らないことも。

そして車両保険の付け方を見直す。今回の参考純率では、車両保険ありのほうが改定率は大きい(+17.2%と+16.4%)。車の価値と貯蓄額を照らして判断してください。

年齢条件や運転者限定といった条件の見直しは、自動車保険おすすめランキングで各社の比較とあわせて確認できます。

下げないほうがいい部分

対人賠償責任保険(他人を死傷させたときの賠償を補償する保険)と対物賠償の無制限を外す判断は、慎重にいきたいところ。機構の資料が示すとおり、賠償額そのものが上がり続けているからです。上限を設ければ、それを超えた分は自己負担になります。

車両保険を検討なしに一律で外すのも危険。中間手段もあります。免責金額(事故のときの自己負担額)を上げる、補償範囲を絞ったタイプに変える、といった選択肢。ゼロか100かで決めないこと。

よくある質問

Q. 2027年1月に全員が14.4%上がるの?

いいえ。参考純率は使用義務のない目安にすぎません。採用するかどうかも、いつ売値に反映するかも各社の判断。そもそも14.4%を受けた改定時期は、2026年8月10日時点でどこも公表していません。

Q. 私の保険会社はいつ上げるの?

会社ごとに違います。2027年の予定を公表しているのは、2026年8月10日時点ではMS&AD傘下の2社だけ。ほかは届く改定案内を待つのが確実です。

Q. 3年などの長期契約の途中だけど?

満期までは改定の影響を受けず、満期後の更新から新料率が乗ります。ただし損保ジャパンのように、長期契約の保険料自体を引き上げた会社も。

Q. 軽自動車のほうが上がるって本当?

参考純率の契約例のうち、車両保険ありのケースだけです。軽四輪が+17.5%で、普通・小型乗用の+17.2%を上回ります。ただし車両保険なしでは逆転。しかも車両保険の金額前提が100万円と200万円で違うため、単純比較はできません。

まとめ

値上げは二段階。自賠責は2026年11月1日以降の保険始期分から平均6.2%。任意保険は各社が順次動いています。

ただし今報じられている改定は、2024年6月の参考純率改定(+5.7%)への対応が中心です。今回の+14.4%を受けた改定時期は、まだどこも公表していません。時期も幅も会社ごとに違います。

決め手は保険始期。今日やることは、満期日を見る、改定案内を読む、同条件で比べる。この3ステップ。

本記事は2026年8月10日時点の公表情報にもとづいています。各社の改定率発表があり次第、更新します。

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この記事を書いた人
つよび/よわび|マネーコンパス編集部。制度と一次資料をたどって、初心者にもわかる言葉に翻訳します。今回は損害保険料率算出機構の届出資料、金融庁の審議会資料、各社公式サイトを直接確認しました。
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よわび
サラリーマン投資家(2児の父)。資産3,500万円到達・住宅ローン完済。 新NISA・投資信託・高配当ETF(SCHD中心)でコツコツ型の資産形成を実践中。 家計目線で「節約→投資」の導線を実践し、初心者向けに翻訳する立ち位置。 YouTube「FireriF(つよび・よわび)」で初心者向け解説を発信中。